Webを仕事にしたい人にとって、Webデザイナーは憧れの職業のひとつでしょう。
一方、初心者にとって「Webデザイナー」とは一体何をする仕事なのかイメージが湧きづらいということもあると思います。
ここでは、Webデザイナーの仕事、似ている仕事、メリット・デメリットやWebデザイナーになるために必要なことを紹介します。
Webデザイナーとは
Webデザイナーとは、その名のとおり「WebサイトやWebサービスをデザインするデザイナー」のことを言います。
スキルの幅は比較的広く、見た目のデザインをする「グラフィック」「イラスト」が得意な人もいれば、サイトに動きをつける「インタラクション」「フロントエンド」、サイトを構築する「コーディング」が得意な人もいます。
一般的にはWebサイトのグラフィックからサイトを構築するコーディングまで一貫してできる人が多いのも特徴といえます。
Webデザイナーの種類と似ている職業

グラフィックやイラストはできないんですが、Webデザイナーになれますか?

シンプルに答えると「なれるけど年収UPには必要になる」というのが答えでござるね。
Webデザイナーとして活躍したいのであれば「デザインスキル」か「プログラミングスキル」のいずれかを熟練させていく必要があるでござる。
初心者によくある勘違いが、Webデザイナーに求められるスキルの幅です。Webデザイナーと混同されることが多い職種を一覧で紹介してみます。
種類 | 特徴(スキル) | 専門性(難易度) | 年収 |
---|---|---|---|
1.Webデザイナー | Webサイトのコーディングを中心に、Webに必要なデザイン作業をする。 | 低〜中 | 低〜中 |
2.UIデザイナー | UI(ユーザーインターフェース)に特化したデザインをする。 | 中〜高 | 中〜高 |
3.UXデザイナー | UX(ユーザーエクスペリエンス)に特化したデザイン業務をする。体験のデザイン。 | 中〜高 | 中〜高 |
4.コーダー | Webサイトのデザインは行わず、HTML/CSS/JSなどの実装を担当する。 | 低〜中 | 低〜高 |
5.グラフィックデザイナー | ポスターやチラシ、広告宣伝物などのビジュアルに特化したデザインをする。CIやVIなども手掛ける。専門性の高さで報酬はピンきり。 | 低〜高 | 低〜高 |
6.プロダクトデザイナー | 家具などのプロダクト(モノ)のデザインをする。最近では「Webプロダクト」のデザイナーのことを称することも増加。 | 中〜高 | 低〜高 |
7.フロンドエンドエンジニア | Webサイトやサービスのフロントエンド(HTML/CSS/JSなど)の開発を手掛ける。コーダーよりもプログラミングに近いことが特徴。 | 中〜高 | 中〜高 |
8.サーバーサイドエンジニア | Webサイトやサービスのサーバーサイド(Ruby/PHP/Pythonなど)の開発を手掛ける。フロント領域を兼ねることもあるが、主にバックエンドを開発する。 | 中〜高 | 中〜高 |
※専門性については諸説あると思いますが、専門学校の多さ・名乗りやすさも加味しています。
ここだけでわかるとおり、Webデザイナーというのは本当に「デザイン」の中では狭い範囲のデザイナースキルになります。
また、Webサイトをつくる際のHTML/CSSなどのコーディングが好きという人は、Webデザイナーというよりは「コーダー」「フロントエンドエンジニア」のほうが向いている可能性は少なくありません。
一方、「デザイン」が好きという人にとってはWebデザイナーだけではなく「UIデザイナー」「UXデザイナー」「グラフィックデザイナー」などのデザイン領域を強めることを考えてみてもいいかもしれません。
Webデザイナーの年収
Webデザイナーの年収はピンきりですが、年収300万円〜800万円程度が会社員で目指せるレベルでしょう。
ただ、Webデザイナーとしてトップの人たちはもっと高年収の人もいますし、UIやUX、グラフィックなど他領域にも精通することや、デザイン部門のマネージャーとして活躍していくことで高年収を目指すことは可能です。
副業としても、案件単位で仕事を受注することができますし、サイトのデザイン〜実装までワンストップで仕事を請けることができるので独力で稼ぎたいという人にはおすすめです。

年収が今と変わらなくても、つくる仕事で就職できるならそのほうが幸せになれそう…!

目の付けどころがいいでござるね。
手に職をつける安心感もあるでござるよ。
Webデザイナーになるメリット
Webデザイナーになるメリットは以下のようになるでしょう。
・1人でサイトを作りきることができる
・本業でも副業でも仕事を受けやすい
・教材が豊富なので独学でも目指しやすい
・初心者でも比較的目指しやすい。採用もされやすい
実は、上記の表の中では、未経験からデザイナーになれる仕事は限りなく少ないのです。
というのも、UI・UXデザイナーやプロダクトデザイナー、グラフィックデザイナーなどは美術・芸術系の大学出身者が多く、フロントエンドエンジニアやサーバーサイドエンジニアは情報工学系の大学出身者が多いです。
一方でコーダーやWebデザイナーは文系大学出身者でも入り口として経験しやすいので、デザインや開発に関心がある人にとって最適な入り口といえます。
Webデザイナーになるデメリット
Webデザイナーのデメリットも紹介します。
・人口は増える傾向なので報酬が下がり気味
・ノーコード・ローコードツールの普及で需要が低減
・成長すると美大や芸大出身者との争いになり厳しい戦いになる
・報酬をあげる道がプロフェッショナル or マネージャーという選択肢になりがち
最近では、未経験からのWebデザイナー人口は増えるうえに、専門学校やスクールなども豊富なので初学者の人口が増えつつあります。以前であれば100万円の単価だった仕事も現在は10-20万円ということも少なくありません。
また、コードを書かずに開発できる「ノーコード・ローコード」ツールも増加しているため、Webデザイナーに頼んでいた仕事も今では自分たちでおこなう事業者が増えています。
さらに、未経験でWebデザイナーに挑戦した先では美大・芸大出身者たちとともに仕事をすることになります。デザインスキルでは経験の差があるため、そこに挑戦していく必要があります。さらに、報酬を上げるためにはスキルを上げるか、マネージャーになるかという二択を迫られることも。
Webデザイナーになりたい人にとっては、その先の成長をどう描くか、考えていく必要があるといえそうです。
Webデザイナーに向いている人
Webデザイナーに向いている人の特徴は以下のようなタイプです。
・かっこいい、かわいいWebサイトを見るのが好き
・おしゃれやデザインに関心がある
・子どもの頃絵を書くのが好きだった
・ものをつくるのが好き
・+α)マーケティングや広告に関心がある
実は世間には見た目に関心がない人もいます笑 その中で、Webデザイナーに関心がある人というのはデザインされた制作物・宣伝物などが好きな人が多いです。
好きなものを見ていて、それを真似したり、自分で作ってみたりすることでスキルが上達していく仕事なので、見た目のこだわりが強いひとほど腕は上達していきます。
また、Webデザインの仕事は広告やLP(ランディングページ)などにまつわる仕事も多いため、マーケティングや広告に関心がある人、ビジネス目線もある人は起業・副業もしやすいといえるでしょう。
Webデザイナーになるために必要なスキル
Webデザイナーに必要なスキル・できることを紹介します。
Webデザイナーに必要なスキル①コーディングスキル
HTML/CSSのコーディングスキルは必須です。
また、できることであればフロントエンドの開発やサーバーサイドの開発に関する最低限の知識も持っておくと、一緒に仕事をするエンジニアの人たちとの連携もしやすく、ゆくゆくはスキルを広げて仕事の幅も広がるかもしれません。
Webデザイナーに必要なスキル②グラフィックデザインスキル
PhotoshopやIllustratorを使ってサイトのグラフィックやバナーなどをデザインするスキルも最低限持っておく必要があります。
最近ではFigmaやAdobeXDなどのかんたんなデザインツールが誕生しています。どのようなツールでもいいので、シンプルでもビジュアルのきれいなものをつくることができるスキルは必要でしょう。
Webデザイナーに必要なスキル③UIデザインスキル
また、サイトの構造やページ内のデザインを行うUIデザインのスキルも必要です。ワイヤーフレームを書いたり、サイトマップを書いたりする能力は必須です。
こちらもFigmaやAdobe XDを使う会社が増えています。
Webデザイナーに必要なスキル④インタラクションデザインスキル
JSなどのプログラミング言語を用いてサイトに動きをつけるインタラクションデザインのスキルも必要です。
装飾を華美にするだけではなく、ユーザーが次の動作を考えるために必要なアクセシビリティ・ガイドの観点を抑えることで、シンプルでも使いやすいサイトをつくることができます。

Webデザイナーといってもいろいろな種類やスキルがあるんですね。

そのとおりでござるが、最初は「デザインに関心がある」くらいではじめるのも大切なことでござる。
一番大切なのはその人自身の思いでござる。
Webデザイナーの仕事のはじめかた
最後に、Webデザイナーになりたいという人に向けて、仕事の始め方も紹介します。
HTML/CSS/JSの勉強をする
最初にコーディングの勉強をしてみてください。
コーディングは向き不向きもありますが、楽しいと思える人は第1段階クリア。Webデザイナーの素質があると思います。
デザインの勉強をする
次に、デザインの勉強をしてみましょう。
スクールに通っても20万円程度で、数日〜1週間程度で終わることも多いです。本格的にやるのであれば数ヶ月〜年単位での学習が必要ですが、まずは初期投資と思ってスクールに通ってもいいですし、Udemyや書籍を購入して独学で勉強してもいいでしょう。
ただ、デザインツールは全くの未経験だととっつきづらい場合が多いので、おすすめはスクールに通ってしまうことだと思います。
知人から仕事を請けてみる
一通りの学習を終えたら、知人や友人に声をかけて試しにサイトをつくってみましょう。
まずはお金というより、経験を増やすこと。ポートフォリオと呼ばれる自分の実績紹介を増やしていかないことには、案件を請けたり就職することは難しいです。
最初は無料でもいいので、とにかく声をかけてお店や会社などのサイトをつくらせてもらいましょう。

私も今の仕事とか、友だちづてで少しは仕事がもらえるかもしれないです!

拙者も最初は忍び仲間の案件だったでござる。
無料で受けるのはトラブルが起きることもあるのであくまでも「今回限り」というのは伝えるでござる。
クラウドソーシングに登録して案件を請けてみる
実績が増えてきたら、クラウドソーシングに登録をして案件を請けてみましょう。
コンペ形式の案件にも積極的に応募しましょう。ここでも、あくまでもお金より経験。実績を増やすこと、つくったものを増やすことがとにかく大切です。
就職してみる
とはいえ、独学の難しいところは学びが大変・お金を稼ぐのも大変ということ。
スキルの学習に集中するためには副業で挑戦をするのをやめて本業にしてしまうのもありだと思います。
未経験だと年収300万円くらいからのスタートも多いかもしれませんが、楽しく勉強しながらものをつくってお金がもらえるというのはなんとも言い難い体験です。
スキルが身についたら転職なり出世なりで報酬は上がると思います。
まずは、自分のやりやすい形でスキルを身に着けて、仕事を請けられることを目指しましょう。
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